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 優しく、甘く語られる告白。
 ああ……わかった。何がつかえていたのか。ボクは、センパイの口から聞いたことがなかったんだ。いつもテレビの上に飾られている写真の、髪の長い女性ひとの話しには触れちゃいけないと……そんな風に思っていたんだ。

「まったく、女々しいのはかまわないけどベタだわ。 まぁ、姉さんとふたりでもあんなことあまり言わなかったと思うから、その分よしとしようかな?」

 横でひとつ咳払いをして、小枝子さんは言った。
 そう、わかっていたはずだ。センパイは自分から多くを語る人ではないと……。それが良いことでも悪いことでも。

「幸せそうですね、センパイ」

「姉さんもね。あれだけ想われれば本望よね、女として」

 くすくす笑う小枝子さんを見て、ボクは今朝の仕返しでひそっと呟いてみた。
 我ながら、良い根性してると思うけど。けど、ここらでボクも……。

「そー言えば小枝子さんには居ないんですか? クリスマスをいっしょに過ごしてくれるヒト」

「————っそーいうこと言うヤツにはこの鞄にはいってるモノあげない!」

「クスクス、いないならボクで埋め合わせしませんか?」

 顔を真っ赤にして小枝子さんは肩をすぼめて鞄をきゅっと抱きしめる。
 一カ月とちょっと。ボクの中にできていたわだかまりが、12月も終わるというのに春の雪解けみたいにやんわりとなくなっていく。