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「君と同じで気は長い方なのですけれど? 事と次第によっては……ねぇ」

 次の亀裂が入ったら、このビルの壁は崩れ落ちる。 誰もがそう感じていた。
 シュカは組んでいた腕を解き、こくりと喉を鳴らしてから声を発した。

「……トキは死んだ」

「————冗談を言っている場合ではないのですよ。っ解っているのか?!」

 勢いよく右手で空を切り、カスガはもう1人の自分を食い入るように見る。
 冗談にしては笑えない。

「“俺が”、殺した。俺が消したのですよ、彼女を。この先の不幸が目に見えているのに、どうして……生かしてやるのだ。 俺の二の舞になどならなくてよかったんだ」

欠陥、複製バグ・クローンっ!!」

 奥歯を強く噛んでそう嘆いたカスガはコウに向けていた手を力任せに振り上げた。
 壁が粉々に砕け、コンクリの塊となってコウに集中する。 瞬間。

「────────っっシュカぁぁぁ!!」

 断末魔に似たコウの叫び。しかしその叫びに救いの手が差し伸ばされることはなく、鉄屑となった破片がコウの数センチ手前で止まってしまった事に2人の青年は圧倒せれる。

「どこまでもっ。どこまでも不愉快な事をしてくれるなシュカ!!」

 カスガヤツは気付いてない? 今のは俺でなくコウが……。
 シュカははっとしてコウの正面に降り立った。

「……こっちだって、愉快なんかじゃないさ。生死がかかってるんだから」

『コウ、コウ……。ヴォリュームを下げて。落ち着くんだコウ。お前には、俺が指一本触れさせないから。大丈夫。俺を、信じて』