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「クスクス。 そうだな……。覚えておおき、夏姫ナキ。 お前は1人ではないのだよ。そう……、お前はこの娘とついなのだ。そなたを光とすれば、このお前の半身の娘は影となろうぞ。 フ……。ドクター・ミシェル、蘇生を」

 科学が、神の領域である生物製造を超越したのはもう遥か太古の事。 しかし何千年という歳月が流れようと、決して人間を複製クローンするという所業を銀河連合G.Uは認可しなかった。
 “人間の尊厳が第一” だと、歴代の銀河連合総主G.U.Pは云いそろえ、その意向を決して曲げないでいるからだ。
 G.U.P~銀河連合総主~。ギャラクシー・ユナイテッド・プレジデントは、銀河連合を統括し、掌握するという、G.U唯一の事務総長トップなのである。

「蘇生、開始致します」

 しかし、どの時代もノー・ルールというものが通用してしまう輩がいるもので……。
 メシアは口元に薄笑いを浮かべてそれを見守る。

 さぁ目をお覚まし……。 そしてお前の能力チカラを見せておくれ。

「ヒューマニック・ウォータ、排水開始」

 ドクター・ミシェルの合図と共に、プログラムチームは一斉にメインコンピュータの操作に取り掛かった。
 まさに、その時だった。
 ヒューマニック・ウォータの中の少女は、目の前にいる少女ナキと同じブロンドの髪を水中でザワッ! と広げ、ナキと同じ真紅の瞳をカッ! と見開いた。

「―― ?! ミシェル!」

 ビーン。ビーン。 と研究室ラボ中に響き渡るスクランブルベルと、赤く点滅する非常灯に、メシアは形相を豹変させて声を上げた。
 ゴポッ!
 ゆらりとヒューマニック・ウォータの水面が揺れたと同時にザアッ! と、風が起こりうる場所ではないのにラボの天井に向かって流れ、竜巻の如く風は渦を巻いた。