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 ……こんな慎ちゃん、見たことがない。
 ガラにもなくあたしはしんみりしちゃって、自分の家なのになんか“借りてきたネコ”になっちゃって……。
 あたしは一人がけの上座にあるソファに座り、テーブルをはさんで対面している和泉と慎ちゃんを見る。

「これがおれのオヤジが書いた手紙です。で、おれがその文面に書いてある許婚者いいなずけの砂原和泉、18歳」

 不適な笑みを浮かべたまま言った和泉から一瞬たりとも鋭い眼を離さずにいた慎ちゃんだったけど、ため息をひとつついてソファの背に身を委ねた。

「君のお父さんをここに呼んでくれないか。悪いと思うが非常識極まりない」

「はははっ! ……悪いと思うなら言わなきゃいいのに」

 ~~~~~っっ!! ふっ、2人の間に吹雪が吹いてるよぉぉっ!
 うわぁぁっという険悪なムードにあたし、有栖玉砕☆
 なんっっにも言えない!

「いいよ、貴方が有栖の恋人でも」

 ふぇっ?