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 ばかぁ……。
 目の前が、白くにじんだ。

「いーっだ! 泣くわけないじゃん! 泣かないもんっ」

 言ってることとは反対に、ぼろぼろぼろぼろ流れてくる涙を、和泉がソファ立ってふき取ってくれる。
 パパとママがいなくなったときに、泣かないって……決めたのになぁ。

「……おれ、鬼畜だぜ?」

 え……?
 和泉がなにを言ったのか、わかんなかった。
 和泉がなにをしたのか、わかんなかった。

「……っは……。 どう? おれからの宣戦布告」

 入り口に立っている慎ちゃんに、あたしから唇をはなして和泉は言った。
 な、にが……あったの? なに、が……!
 あたし――……っ!!

「っおい! どこ行くんだよ有栖!」