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『ギター弾ける人はみんな弾けるよ』
 なんて昔パパが言った言葉思い出して言った。
 和泉はOKって首をたてに振って、ソファに腰かけ、足を組んだ。
 すぅっという、一瞬の間。 ぽろろん……って、和泉はチューニングしてから、ポンッとマイナーの音が部屋に響いた。
 哀愁に似た、切ない音……。
 戻ることのないあの日に、記憶がさかのぼっていく。
 パパとママが……目をつぶるとそこにいる。
 じわっと目の前が昨夜と同じに白くにごった時だった。

「……やめた」

「っえ……?」

 ジャランっと6弦を開放して弾き流し、和泉が言った。
 リフレインしていた時計の針を無理やり止められた気がして、疑問符しか浮かんでこない。

「こんな暗い曲やめて、コッチのがヨクない? “恋はみずいろ”って曲」

 シャンと和泉はメジャー音を奏で、テンポのいいそれを弾きながらあたしに笑って言った。
 ドキッとした、心臓……。
 曲の……せい……だよ。

「だぁってお前、泣きそうだぜ? 忘れろとは言わねぇけど……親父さんたち、天国で笑えないんじゃない? 有栖がそんなじゃ」