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「なんだよ。 言いたきゃ言えばいいさ、ガッコーでもなんでも」

 ブレザーも脱いでシートボックスの中に入っているGジャンを取り出し、俺は後方に居るだろう睦月に言った。
 何の返事も返ってこない。

「“イイコ”でいたかったらさっさと帰ること……――」

 Gジャンのボタンをかけ終えて後ろを振り返ると、睦月は両手の指を口の前で組み、さながら懺悔でも始めるかのように目をうるませて俺を見上げていた。

「センパ~イ……。ボクの知らないうちに“ワルイコ”になっちゃったんですねぇ~~~。 かなしいですょぉう~~~」

 あ……。 駄目だ。相手にしないほうがゼッテーいい。

 そう思った俺はフルメットをズボッとかぶり、今しがた入ってきた門へとバイクを押して戻る。
 ヴァァン!!
 ヴォン! というけたたましい音がマフラーから鳴った。 特にいじってるわけでもないし、直管ではないからそんなに音はでかくないと思うのだが、思わずその音に顔が笑う。
 俺はこの音が好きだ。

「早くセンパイ出ましょうよっ。 ボクも“ワルイコ”になります! へらっ♪」

「~~~っへら♪ っじゃねぇよ! なに、お前ちゃっかりバックシート座ってんだよっっ。しかもノーヘルでっ!」

 ぐっと後部が重くなったと思って見てみたら、そこにはちんまりとした具合に睦月がまたいで座り、ほくほくと幸せそうに言った。