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「降りろっ」
「ヤ! ……です」
「っっんのヤロウ……っ。 乗ったことあるのかよ。なくて乗るならそれなりの覚悟しろよ?!」
メット越しにすごんだ俺の言葉を真っ向から受け止め、睦月は真剣にうなづく。
相変わらず顔は幼いが、眼がマジだ。
なんだかなぁ……といった感じで、足元に備えてある予備のメットを睦月に渡した。
「お前ってさぁ、俺のこと知ってるの?」
「……うわべは知ってますけど、 “中身をこれから”知るんです。ボク、あれで本当にセンパイにあこがれましたから!」
メットを着けて、睦月は嬉しそうに言った。
俺は、そんなに大したことを入学式(あのとき)言ったとは思えない。 けど、“あれ”から何かが変わったのか……。 と、思えるようになるには、そう、時間はかからなかった。