TIME end

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TIME end

『葵ぃ、葵の宝物はなんだぁ?』

 夢をみていた。親父は若くて、俺はまだガキだった。

『うーん? あのねぇ超合金ロボット! あのねぇあのねぇ、すっげぇカッコイイんだぁ~! でも、母さんは高いからダメって、なかなか買ってくんないんだぁ』

『そーかぁ』

 親父は情けない顔をして言った。

『あのなぁ、父さんの宝物はなんだと思う? 取っちゃダメだぞぉ? 父さんの宝物はなぁ……葵なんだぞぉ』

『えー? なにそれー。 宝物が“人間”なんてヘンだよぉ』

 髭でちくちくする頬を俺にすりつけて、親父は抱っこしてくれた。
 ぐらり。
 頭が、ズキンと痛み、親父もガキの俺もぐにゃっとゆがんで消えた。 すると今度は、晴行さんと俺が居て、話をしていたのだ。

『葵さ、親友って呼べるヤツいないだろ』

『……いりませんよ。別に』

『クスクス。らしいなぁ……。 自由そうに見えて、実は自由じゃないよね、葵って。 束縛されないことが、自由ってワケじゃ、ないんだよ?』

 ――――ああ、なんだ……。 そういう、ことだったんだ。
 俺、まだまだ子供ガキだったんだね……晴行さん。