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「――……い、葵、七澤君ていう子から電話」
「ん……、ありがとう。 もしもし」
寝起きということがあって、重い声で電話口に出た。
何まだ寝てんですか。治りが遅いのってやっぱり“歳”のせーですかね。
「……お前な、たった2歳違うだけで歳の差ぁとか言ってんなよ。 60過ぎりゃ俺もお前もジジイだぜ?」
妙に実感こもってますね。まぁ、いいですけど……。
キーン、コーン……。
途切れた会話の向こうから、学校のチャイムが聞こえてきた。 俺も睦月も切ろうとは、しなかった。
「……授業、始まるんじゃないの?」
センパイ明日学校来ますか?
「まぁ、受験生としてはそろそろ行かないとね。内申書っていうモンがあっからサ。ゆっくり寝てられんのよ」
待ってますね。