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睦月の言葉に晴行さんは苦笑して許した。 そして俺に、睦月に聞こえないように耳打ちする。
「実はこの間、壊されたんだ」
うあ~……気の毒。
約10万のギターをだ、みごとにね。
もちろん俺の給料からも半分引かれたけど……。
そんな風に笑って言った晴行さんを、気の毒だとも思ったけれど、それでもやっぱりそんなことがあってもまた許してしまうトコが、晴行さんだな……。 なんて思ったりもした。
「でも何、どうしたの。睦月と一緒なんて」
「いや……、別に何がどうってワケじゃないんだけどさ」
店内にずらっと並べられている名前も知らないような楽器を見渡し、ギターのコーナーで、でんっ。と座り込み、しゃりしゃりとかき鳴らしている睦月を見つける。
幼い顔をむぅっとしかめ、ハタから見るとミスマッチ過ぎる睦月とギターに妙に笑いを誘われる。
何、じゃあ俺と葵みたいな感じだったの。
ああ、睦月ならやりそうだよね。
さっき、ホントに数時間前に睦月が生徒会に入ってきて、数十分前には俺のバイクのバックシートに座っていた。