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「では次のニュースです」
俺はブレザーをソファの上にリモコンと一緒にほっぽり投げて、台所の奥にある冷蔵庫に足を運んでがさがさと中をあさる。
……何もねぇな。
半年前は、こんなじゃなかった。
俺は朝思っていたことをまた思う。
バタンと冷蔵庫を閉じてソファに向かい、ドサッとため息と共に身を投げ出すように座った。
半年前は、学校から帰ってきたらお袋が夕飯作ってて、7時になれば親父も帰ってきて、3人で夕飯を囲った。
あれは、半年前、10月末……だったと思う。 暑かった季節がようやく終わり、ちょうどいい陽気の朝、だった。
親父がおかしくなり始めたのは。
いつもどおりの朝。
おおい、母さん。
玄関先で親父がお袋を呼んだ。
『靴紐がなぁ、結べないんだ』
手がかじかんでなぁ。おかしいよなぁ。こんなこと、ないよなぁ。
親父はとても不思議がり、気味悪がっていた。
けれどお袋は笑いながらしてやり、
寝ぼけているんじゃないですか?
なんて言っていた。