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俺はGジャンの袖でごしごしっと顔をこすり上げて晴行さんの背中をカウンター越しに見上げた。
唇をぐっと噛んだ後に、前髪わしっとつかんで言った。

「……つよくなりてぇよ……っ」

「……な~ればいーじゃん♪ なんてネ」

「……っくふっ! なに言ってんだよお前ぇー」

晴行さんが居てよかった。 睦月が居てよかった。
理解してわかってくれるヤツが居て、良かった……。 そう、心から初めて思ったのだった。

「日下くん!」

翌日の昼休み。 “火の鳥”を図書館へ返しに行こうとしたところで呼び止められて、下りかけていた階段の途中で足を止めた。

「何?」

呼びかけてきたのは、バレー部のマネージャーだった。
元はバレー部だったけど、あまり話したという記憶はない。

「……えっと、あ、ごめん。図書館行くんだったの?」