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「……やけにそっけないねぇ、君。 あ、中学の頃の晴行に似てるんだ!」

「え、あ……あー! うん、似てる似てるっ」

 俺は見も知らずの人に言われて気に障ったのかなんなのか(よく分からないが)眉間にしわを寄せる。(どうやらこれは癖らしい)。
 それをその人は見て感じ取り、わずかに微笑して俺に謝った。

「ごめんなさい。 私、香川 舞子です。晴行の、幼馴染み……」

 睦月がかすかに苦笑いして、晴行さんが舞子さんから目をそらしたのがわかった。

 ……なんか、“アリ”っぽいな……。

「あー、日下 葵です。よろしく。 っと、晴行さん、俺そろそろさ」

 軽く会釈して、俺はその場を去ろうとする。 時間が、もうすでに6時を回ろうとしていたのだ。

「っえ、あ、じゃあボクも帰ります!」

「え、そ……なの?」

 いつもならまだボクもっと弾いてきますから。 とか言って入り浸る睦月が、めずらしくそんなことを言った。
 俺は、なんかまた曖昧な返事しかできなくて、それでもお先になんて言って店を出た。
 雨は、上がっていた。