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「あ、あがって」

 俺は一瞬忘れてしまった睦月にそう言って、2階への階段を上る。

「おじゃまします」

「いらっしゃい。 ――……久しぶりね、あの子が友達連れてくるなんて……。小学生の時以来かしら」

「テキトーに座って」

 俺の部屋は、本当に殺風景だ。 別に入り用なものしか置いていないのだが、それがベッドと机とコンポだけとなると、六畳一間の部屋はガランとしているように感じる。

「……えっ……と、あった。 はい、“ジミ・ヘン(ジミー・ヘンドリックス)”だよな」

 俺はコンポの脇に並べられているCDの中から、中古で買ったせいか色褪せたジャケットの1枚のアルバムを取り出してみる。
 すると、

「……晴行さんとボクが会ったのは、彼女がきっかけだったんです」

 ひっそりと、うつむきながら睦月が言った。
 俺は、なんか何も言えなくて……。コンポの電源をONにしてCDをかける。