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もちろん、ここにいる暁も例外ではなかった。
「……史郎、あたしね? 彼岸花見るとすごい……懐かしい気持になるの」
暁がほぅっと消え入るような小声で史郎に言った。 横でそう言われて史郎も感嘆しながらそうだね。と、相槌ちを打つ。
「きっと、一緒に見に行こうね史郎。あ、でも史郎いま売れっ子だから少し待つことになるなぁ」
う~ん。
なんてうなりながら暁は考え込んでしまう。しかしその暁を見た史郎はリセプティから放たれている青白い光を受けながら眉根を寄せ、憂い顔ですっと席を立った。
「どしたの?」
オーロラヴィジョンから送られていた映像を史郎はOFFにする。
自分の好きなものを横から取られた様な顔をして暁は史郎を目で追う。
「暁にね、渡しておきたいものがあるんだ」
シュウンという音と共に開かれたオートドアから隣りの部屋へ史郎は姿を消し、宝石箱のようなボックスから1枚のメモリアルチップを取り出して戻ってきた。
メモリアルチップ。通称通称“M.C”は、史郎が発明した“三次元元素物質転換”(空気から個体を造り出す)をこの10ミリ四方のチップにメモライズさせたものだった。
「完成、したの?」