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「彼岸花……」
「……ほ、ほんと? だって、時間移動って……銀河連合の許可がないとしちゃいけないんでしょ? それに、許可されても時空警察(通称 T.P)同伴じゃなきゃダメって聞いたけど」
史郎は軽く相づちを打ってさっきまで腰掛けていた椅子にもう一度身を委ねた。
そして暁にも椅子を用意して、あまつさえホットのミルクティまで手渡す。
「……いつもの事だけど、いたれりつくせりで嬉しいわ」
「クスクス。ちょっと育て方間違えたかもしれないな。……1回、昔見に行った事があった。 とても綺麗だった。あんなに、強くて儚そうな花があるなんて知らなかった。どうしても、暁に見せたい。 そして……触ってもらいたい」
いつの間にか史郎の口調は、昔話を子どもに語ってきかせる親のそれになっていた。
時空を、時代を超えるのにはそれ相応の資格や理由がいる。なぜなら、第1級犯罪になりかねないからである。
未来の情報や設備等を過去へと移すことは、現の世界(未来)を消滅させる事になりかねない。
AのみちがなければBにする。たったそれだけの事で、他愛もなくこの未来の歴史が変わってしまうのである。
「……史郎、何かあったの?」
暁は口元にもっていったミルクティをふっと膝元に下ろし、少々眠たそうな口調で対面している史郎に聞く。
「クスクス。なんで? 何でもないよ」