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 消えそうな笑みを浮かべながら言った史郎の言葉を暁はどこか頭の隅で聞き入れ、うとうとしている目をこしこしとこする。
 どうやら、眠くなってきたらしかった。

「暁、眠い?」

「うーん……、しろー、もぅ寝ようよぅ」

 くらくらとしている体をやっとこ自分で支えながら暁は、史郎の服の裾を掴んで言った。

「……部屋に戻りな、暁。明日、あ、今日か。見に行くんだろ?」

「うん、見に行くぅ……。オヤスミ史郎」

 あふっと大きなあくびをして暁はラボを出て自分の部屋へととことこ戻って行った。
 それを史郎は寂しそうに見送り、先日から消えない訳の分からない不安に胸を焦がして溜め息をついた。
“『今がその時、その時が今』”。
 史郎は昔暁の父に言われた言葉をふと思い出し、両手で額を包み込んでうつむくのだった。

 “生きるためにもがくこと” “終りを恐れないこと”
 どちらを示すのだろうか
 強い人の抱いている心情は……