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 ばしん! と、またまたいい音が順平の頭に響く。

「~~~ッッにすんだよぉ!」

 ぐわばっとはたかれた頭を両手でおさえつつ、順平は顔を上げて今しがた自分を殴った順奈をしゃがんだまま涙目で睨み上げる。
 そんな順平を冷ややかに仁王立ちして見下ろす順奈は、腰に手をあてて静かに言った。

「……アンタ、昨日の今日で何言ってんの? 言ったでしょ、暁は“うち”が引き取ったって。絶対“他人”なんて言うんじゃないよ」

「は……。引きと……?」

 順平は開いた口がふさがらない。といった具合いに呆然とし、玄関奥右の部屋から顔だけ出している暁を見る。けれど耳だけは母親の声を聞き、頭はさっき暁が言った事をリバースさせていた。

「両親亡くなって、成人するまではうちに居るって言ったでしょ。その歳でアルツハイマーなんてやめてよねぇ?」

『マインドコントロールしやすそうだから』。
 順平は半ば放心していたが、暁と視線が合った瞬間に口を開く。が、順平より先に暁は人指し指を目元にもっていき下を出した。

「~~~ッッドたまきた!! っざけんなドあほぉっ!」

「は~ん♪ ザマァみろってやつよね~」

 バタバタと部屋に入った順平はさすがに手を上げることは無かったものの、しばらくの時間暁と口喧嘩をするハメになったのだった。

 

 

忘れものがあるって気付いて

周りを捜したけれど 石ころしかなくて……

見つからないって泣いたあの日には

もう2度ともどれない

きっとあの時 必死になっていれば

きっと……引きとめておけたはず

なのに 自分は必死になれずに ただ失う瞬間ときを

ただ 見つめてた……

何とかなるなんて思っていた自分が信じられない

どうにもならない現実ホントを知っていたはずなのに……