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「……なかなか、未来の料理ってのもイケるやん。形こそ味に比例してねぇけど」
夕食(結局暁は順平の分も出した)をたいらげた順平はカチカチとテレビのリモコンでチャンネル荒しをしつつそんな事を言う。
「この中で天然の物ってないんだよ? みんな合成動植物が原料。“たまご”なんて地球にはもう全然ない。農場コロニーに行けばあるんだけどね」
どこか遠くを見て言う暁を順平はへぇって顔で聞き入る。
史郎は、食事……したんだろうか。
「……なぁ、お前が未来から来たってのはさ、何のため?」
かなり真剣な順平の問いに暁は頬杖をついて、う~んと応える。
“何のため?”、“誰の、ため?”。
「……今から約300年後、史郎という天才科学者と、暁という可愛い科学者がいました」
「……ちょっと脚色されてんなぁ」
「いーの! 暁という少女は親代わりである史郎と2人、平穏に暮らしていました。が、ある日突然史郎は大量殺人という濡衣を着せられて捕まってしまったのです。史郎は暁に……」
急に話すのをやめた暁は順平と眼を合わせて口をつぐんだ。
しんと“人の声”がやみ、部屋の中にはテレビのバラエティー番組の笑い声。外から聞こえるサイレンの音や、それに呼応する犬の遠吠え。クラクションなんかが響いてきた。