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 暁は順平に平気。とだけ言ってまだふらついている身体をやっとで支えて立ち上がる。

「オレ達の目的物は唯ただひとつでね……。 渡してもらいたいんだけど」

 リングの言っている意味がよく分かっていない暁はいぶかし気に小首をかしげる。
 この男達は、何を言っているのだろう。

「……アンタ達、誰?」

「お答えしかねます」

 瞳を伏せてイオンが言う。
 フェアじゃない。そう思った暁は、はんっと鼻で笑って馬鹿馬鹿しいと小声で呟く。

「あたしね、危険な“カケ”はしないようにしてるの。悪いけど消えて」

 形勢的には自分達はとても不利だと知っているはずの暁の言葉に順平は目を馳る。
 また、その言葉に驚いたのはイオンもリングも同じで、リングに至ってはほう。などと感心している始末だった。

「……なかなか、威勢のいいお嬢様だ。けれど我々も仕事でしてね? 何とか、穏やかに事を運びたいのですよ」

 無機質な瞳のままイオンは続け、風になびく髪がうっとうしいのか横髪を左の手でおさえる。
 そんな仕草に暁はふっと刹那、史郎を思い出した。