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「お願いします!」

 しばしその医師は沈黙したが、床に目をおとし眼鏡のフレームを中指びでくっと上げてから溜め息まじりに2人に言った。

「……3分。それ以上はご遠慮下さい。その入口から入って中で医療着とサンダルを着用してから看護師の指示に従って下さい。お大事に」

 背中の丸まりつつあるその初老の医師は一礼してその場を後にした。
 順平と順奈は言われた通り今しがた医師が出てきた自動ドアから中へと入り、青い殺菌作用のある光を発している戸を開いて医療着を急いで纏う。
 それを着け終わった2人は奥にあるもうひとつの自動ドアを抜けて、ガラスで仕切られている個々の室へやを見渡す。
 シュコーという人工呼吸器の音。
 ピッ……ピッ……ピッ……という心電図の音。

「————っ」

「外で待ってる?」

 くらりとよろけた順奈の背を順平は腕で支え、心配そうにきいた。
 けれど順奈は首を横へ振る。

「さっきの救急の方ですか? こちらになります」

 軽い会釈をして順平達に言った若めの看護師は丁寧に一番奥のベッドへと案内した。

「暁!」