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「テメェのおかげでこちとら2人入院したんだ! モチロン、“慰謝料”っつうモンを払ってくれんだろぉなぁ!?」
イレギュラーカットのその男子はだるそうにズボンのポケットに手を突っ込んだまま順平をねめつける。
ある程度の間隔を置いて立つ順平は、さっき殴られたせいで口の中を切り、唾液と混ざったそれを路上に吐きつけて、にっと不敵な笑いを見せた。
「————俺がスナオに払うなんて思ってねぇだろ? ……悪ぃけど俺、いますっげぇ急いでんだわ。わかったら……そこどけぇっ!」
順平は言い終わる前にその男子に殴りかかり、昨日の傷と同じ場所を狙って拳をくり出した。と、その時、だった。
ボタッと、アーケードの天井の灯りで銀色に光を反射したそれのせいでアスファルトは赤い液体の斑点ができる。
きゃあ! と反対側の歩道から上がった悲鳴。
「……っさ、殺人……者にでもっ、な……るつもりかよっ」
反射神経と運動神経が良かったせいか、順平はとっさに素手でナイフをつかみ、それ以上自分の体に近づくのを許さなかった。
『人の命なんだと思ってんのよ!!』
暁の、悲鳴が聴こえる……。
「ああかまわないね! っどうせ少年院さ! 初犯だし? あと1、2年すりゃヤベーけど、今なら何したって赦されんだよ!」
「————っ!!」