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「へぇ、よく弾き込まれてるな……」

 シャリシャリと、アンプに繋いでないせいで金属音のまま奏で出したギターを、光記は思うように指が弦を押さえられずにいて徐々に眉間を寄せる。

「……っふ、クッ!」

「え、あ……。なん、起きてたの?」

 急に笑い声が部屋の中に聞こえ、光記は頬を赤くしてその手を止める。

「あはははは! ヤだなぁ、もー。朝から笑わせないでよねぇ?」

「〜〜〜悪かったな。 5年近くも弾いてないと指が思うように動かないんだよ」

 照れながらそう言った光記から影良は楽しそうにギターを受け取り、一呼吸置いて静かに言った。

「ギターなんてヤッてたんだ。クスッ。 こーゆーコト、嫌ってんじゃないかな。なんて思ってたんだけど。 ちょっとイガイ…… 」

「……まぁ、かじる程度だったんだけど。 “17歳の必死の反抗”かな?」

「反抗?」

 どうして……。 と、付け足して言った影良に、光記は苦笑いしたままでうつむき、ポツリ。 と、ひと言……口にした。

当主オーナーになりたくなかったから」

「え……」

「なーんてね。 ……朝からやめよう? こんな話」

 ……私は、この1週間で貴方のいろんな事……知ったんだよ。
 照れると右手で口を覆うこと。 困惑するとほおづえをつくこと。 もっと、いろんな事知っていきたいって……。自分のことじゃないのにそう思う。

「影良、今日はオレ、久々にオフなんだ。……どこか行きたい所ある?」

「え、ううん。 別にないけどなんで?」

「……——あー……」