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影良はえ? って顔をしながらうなだれた光記を見る。
光記はというと、影良にイミが通じていない事を悟り、どうしたものかと考える。
「……光記、さん?」
「……わかった! よし、デートしよう」
これでどうだ。 と、いわんばかりにして笑顔で言った光記は、影良の顔を覗き込むようにして言った。
影良はというと、わかりやすいほどにカァッ。 と、赤面して、ドキドキと高鳴っていく胸の音を鎮めようとする。
「……あ、のさ。 その間は、なにかな」
「いっ、言われなれてないの! っごい、すっごいキンチョーすんだからっ」
耳まで真っ赤にして言った影良を光記は極上の笑みで見つめ、椅子から立ち上がって影良に告げた。
「朝食を済ませてから行こう。 廊下で待ってるから、支度して。 早くしないと叔父貴に叱られる」
そう言って部屋を出た光記の背を、影良は始めのうちは笑顔で見ていたのだが、ふっ。 と、唇を閉じ、頬を涙で濡らした。
すごく、幸せ……。信じられないくらい。 幸せなのに、このときが長く続かない気がする。 きっと、長くは……————。
「……光記さんのデートって……いつもこんなですか?」
目先数メートルのところでは、小さい子供たちがブランコの取り合いなんぞをしている。住宅街の中にやっとある小さな広場。
……どう見ても、公園……なんだけど。
「前から思ってたんだ。 こういう感じの所来たいって」
はぁ……。さいですか。 よっぽど子供扱いされてんのかって思うじゃんっ!
影良ははうっ。 と、息をついて光記を視線だけ上に見る。 そこには満面の笑みを浮かべて子供を見る光記の顔があり、影良までつられて笑顔になるのだった。
「クスッ。 光記さんて、子供好きなんだ」