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 ぐっ。 と、つかまれた肩を影良は不思議そうに、ワケがわからなく聞き返してしまう。

「え……?」

「っ首! ————っなにが……! オレが君を捜していた間っ、あんな男になに……!」

 苦しそうに顔を歪めてうつむいた光記の言葉に、思わず自分の首筋で消えたターシャの吐息を思い出した。
 うっすらと赤く内出血している首筋。
 なにがあったかなんて、恋人でなくても気になる。

「ち……がっ。な、にもないよ……! だって、私が好きなのは光記なんだから! ……っふぅ。 ひ、とりに……独りにしないでぇっ」

 何かが狂い始めている。
 影良も光記も、気付いて気付かないフリをしてお互いの唇を重ね合わせる。

「……っはぁ。 オレ、もっと……強くなるから。 前世むかしみたいに……手放したり、しないから……」

『ワタシの方が、こんなにもアナタを愛しているのに!!』
 やめて。 そんな、切なそうな瞳をしないで。

「オレの……側にいて……」 きゅっ。

 “わたし”は……いったい、誰を……————。

「……うん」

 重なる心音。 重なる呼吸……。
 もう、独りになれない。 包まれる優しさを……知ってしまったから……。

「こ……うき」

 唇をふさがれたままベッドに運ばれた影良は、今さっきあったばかりのことのように首筋に残っているターシャの唇の感触を忘れようと必死になる。

「影良……」

 ドキン……!
 蒼い夜の闇に浮かぶ光記の顔を寝かされたまま下から見て、影良は軽いめまいを覚える。

「……っこう……! ——……っふ」