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「っな……!?」
女は部屋の中の状況を一目見て絶句してしまった。
カーテンの隙間から埃を浮き立たせて差し込む朝日の光を一面に浴びているにも関わらず熟睡するこの部屋の主、日下 葵。そして、その脇には見慣れぬ青少年が寄り添うようにして、これまた熟睡している。
あまり、良い構図とは言い難い。
「どっ、どういうことなのよこれはっ!!」
女は赤面しながら大声を上げて言った。
この声で二人が飛び起きたということは、言うまでもない。
「あっ……ふぅ」
葵は長い前髪をかき上げて欠伸をし、首の後ろをかしかしと掻く。相も変わらず、低血圧なのだ。
「……で? アンタがここに居るのは解ったわよ」
「え、あ……、わかって下さってありがとうございますっ」
いきなり部屋へと上がり込んでいきなり叫んだこの女、梅原 小枝子。
小枝子の尋問が相当なものだったらしく、睦月は部屋の隅のほうでちいさくなってしまっている。
「葵さん、今月限り……。今月末に事務所を立ち退いて頂けないと、強制退去というかたちになります」
凛とした横顔はそのままに、まるで台本でも棒読みしているかのようにして小枝子は言った。
そろそろ、かな……。