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 そう付け足して、薫は小首をかしげる。

「うーん。こっちも営業再開したばっか……っ」

 葵は小枝子に笑顔のままぎゅわっと足を踏まれて息を詰まらせる。

 なんだぁ!? と、思って小枝子の方へと目を移すと「黙ってろ」。 のサイン。

「お客様ついてらっしゃいますわ。本日営業リニューアルしたばかりなんですの! 喜んでお引き受け致します」

 さっきとはうって変わった営業スマイルを顔満面に讃えた小枝子は、掃除の時に引っ張り出してきた(のかどうかは分からないが)パンフレットをテーブルの上に広げる。

「京都はですね、あ、こちらの方がお値段も手頃でよろしいかと思われますが」

 葵、睦月、介入の余地なし。
 実はプロの回し者なんじゃ……。などと思わせてしまいそうなその接待に2人はただただ唖然としてしまうばかりだった。

「ではこちらの方向で進めさせて頂きます。 社長、お決まりになられましたわ」

 え、もう済んだの。
 急に話を自分に向けられて、葵は少々戸惑ってしまった。

「あー、じゃあ睦月。お前先に京都に行って手配しておいてくれないか」

「えっ、ボクがですか」

 話の矛先を向けられた睦月は、は? となって葵を見る。

「だって俺は当日コンダクターしないとならないから行けないだろ」

「……」

 睦月、片眉を潜めて視線で拒否をしてみせる。が、

「じゃあ、お願いしてよろしいでしょうか」