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 センパイ、相変わらず無器用だなぁ。

「えへへ、いただきます」

 中身は普通のブラックコーヒーだった。
 睦月は朝の秋の涼しさにしみるホットコーヒーをゆっくりと飲み干し、カップを空にした。

 ……あぁ、温まってきたら眠くなってきたな。昨日、早く……寝たはずなのに。

 睦月は大きなあくびをひとつして腕時計を見る。

 一眠り、出来るな……。

 そうして睦月は瞳を閉じ、吸い込まれるようにして深い眠りに落ちていった。

 

 

 ざわざわと周りが騒がしい。
 睦月は言い表せぬ頭痛を感じて眉を潜める。

「おい、起きろ。……おい!」

 体を強く揺さぶられて、睦月はこの上ない不快感を覚え顔をしかめながら目を開けた。

「……う、ん。な、んなんですか」

 頭がガンガンして、体が思うように動かない。

「署までご同行願います」

「はぁ? なんで……」

 手が突っ張るような感じでベトベトしている。
 生臭さがツンと鼻につき、睦月は吐きそうになってしまう。
 違和感が一瞬のうちに我に返りさせ、睦月はバッと座席を立った。
 手、ジャケット。立ったと同時に通路に落ちたジャックナイフ。すべてが鮮血に染まっていた。
 睦月はこくん。と、喉を鳴らし、目を驚愕に見開いた。

「殺人の容疑者として緊急逮捕します」