p47

 きぃ、とドアが開いて中から上品な着物を着た中年女性が顔を覗かせる。

「はぁ。中へどうぞ」

 圭助は招かれて店の中へ入り、あの日の新聞の切り抜きを女性に見せて事務的に聞いた。

「この2人のうちどちらでもいいんですが、見覚えありませんか」

「戸野辺さんと結城さんでしょう?」

「っ! ご存じですか!」

 半日以上掛けて調べ歩いた疲れが飛ぶような気持ちが圭助を包んだ。

「ええ。3日と空けずにいらっしゃってましたから、事件を知った時には耳を疑いましたわ」

 女性は圭助にウーロン茶を差し出し、カウンター内で細々とした開店の準備をしつつ言った。
 関係者がいた。
 圭助は睦月から2人の行動範囲を聞き、戸辺たちの昨今の行動なるものを調べようとしていたのだ。

 見つけた! 居たぞ葵!

「詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか」