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「懺悔……?」

 葵は視線を睦月へと向けるが、やっぱり遠くの空を見るようにして言った。

「僕のせいで、女性がひとり、死んじゃったんです」

 な、んだって?

 眼を見開いて葵は睦月を見る。

「1年半くらい前です。同窓会で数年振りに会った子が僕を好きになってくれたらしくて……」

 視線が段々と下がっていくのが、睦月の心情を表していた。

「どれくらいだったかなぁ。けっこう、アプローチしてくれていたんです。かなり本気でいてくれたみたいで……。 でも、結城のヤツのせいで、そんな余裕、なかったんだ」

 自分の事で手いっぱいで、他人の事なんて見えていなかったんです。

 指を組んで俯いた睦月の手は、小刻みだったが震えていた。

「ある夜、その子に呼び出されて……。これで来てもらえないなら諦めるって、言われたんです。 その時、どうしようか迷ったんですけど、その日も、例によって2人にカツアゲされて……」

「行かなかったのか」

 葵の一言に睦月はふっと笑って瞼を持ち上げる。

「そうしたら、次の日のニュースで自宅マンションから投身自殺した女性が昨夜見つかったって……」

 もう涙を見せたくなかったのか、真っ青な空を瞳いっぱいに映すように睦月は首をもたげた。

「っ、僕が殺したようなもんだって、戸野辺たちに言われてっ。周りに知られたくなきゃ金出せってっ」

 昨日のことのように鮮明に思い出せるそれに蓋をしようと、何回、泣いただろう。