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 愛してる。今更だけど、いなくなって小夜子がどれだけ俺の唯一だったか……思い知った。 ……もう、遅いかな。

『遅いわけ、ないじゃん。 ……そっか、あたし、葵のその言葉を聴くためにここに居たんだ』

 彼女は笑いながら涙を一滴流して、俺の手を取った。

 小夜子、俺も一緒に居させて……。

 俯いてまた、涙がこぼれた。

『……だぁ~め。今はもう、独りじゃないないでしょ』

 小夜、子……。

『ねぇ、聴こえない? ……聴こえるでしょ。葵を呼んでる声』

 もっと、云いたいことがあったのに。伝えたいことが、あるのに……。

『葵、あなたを愛してる。 形はないけれど、ずぅっと傍にいるよっ!』

 笑顔でそう云った彼女をみて、確信する。
 もう、大丈夫。
 1番伝えたかったことは、小夜子、貴女にちゃんと伝わった。
 もう……大丈夫だよ。

 

 

「センパイっ!」

「圭助さん、意識が!」

 葵はなかなか焦点が結ばないことにもどかしさを感じて眉間に皺を寄せる。
 小枝子の呼び声に圭助は心電図を確認し、ペンライトを葵の目にかざして意識の有無を確認する。

「葵、これは?」

 指を三本立てて圭助は葵の目の前に出した。

「……ゆび」